【実は簡単です】業績で見る企業研究

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Masu
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こんにちは、製薬企業で研究職として働くMasuです。

よく企業研究を行う時、業績をみた方がいいと言われることが多いと思います。

しかし大学で研究に勤しんで来られた皆さんからすれば、これまで企業の業績なんて一回も見たことがないのに分かる訳もないと思います。

私も就活時には全く業績など気にしていませんでした。

ただ製薬会社に入社後、株式投資の勉強をしていくうちに、どのサイトどの数字を見る必要があるのか理解することができましたので、共有していきたいと思います。

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業績は株探で見よう

まず業績ですが、本来は会社四季報で見るのが一番いいと思います。

しかし、会社四季報を買うのにはお金がかかります。2000円近くしますので、馬鹿にならないと思います。

そこで、株探の出番です。

株式投資には企業の業績確認は必須ですが、その業績確認の際に最も使われているのがこの株探です。

早速ですが企業研究を行う場合、確認すべき重要な指標は以下の4つです。

  1. 売上推移
  2. 営業利益率
  3. キャッシュフロー現金
  4. ROE

以下で丁寧に確認していきます。

売上推移、営業利益率

まず株探を開きましょう。

赤枠の中に調べたい企業の名前を入れて検索してください。ここでは中外製薬を調べていきます。

 

検索すると、こう言った画面に推移すると思います。

売上や営業利益率を見るために、決算のタブを選択しましょう。

 

売上高と営業利益が出てきました!

 

✔︎売上高に関しては、年々少しでもいいので徐々に上がっているかどうかが注目ポイントです。

中外製薬の場合をみると、近年の売上は数%ずつ上昇しているのが分かると思います。

 

何%ずつ上昇しているかを確認したい場合は成長性のタブを確認してみてください。

近年ずっと約8%ずつ成長しているのが分かりますね!

大きな企業ほど成長率は衰えてくるので、目安としては3-5%ほど成長していれば十分だと思います。

近年新薬創出にかかる費用が上昇していることは言わずもがなです。それに伴って売上高が増えていないと、企業としてはなかなか厳しいものがあります。

中外製薬の場合、正直ここまでの大企業でこれだけの成長率があるのは素晴らしいです。

さすが株価がずっと上がり続けているだけのことはあります。

続いて営業利益率です。

 

営業利益率 (営業益÷売上高)に関しては、10-15%ほどは欲しい

製薬企業は通常、利益率が高いと言われている業界なので、大体このくらいは欲しいです。

先程の画面に戻りますが、中外製薬の場合は、2019年の営業利益率は、

210597(営業益) ÷ 686184(売上高) ×100 = 30.7%

なんと驚異の30.7%です。

ここまでの企業はなかなかいません。しかし、それだけ中外製薬が優れているということだと思います。

✔︎営業利益率は、自社創出の新薬が多いほど上昇します。

というのは、新薬は新薬でも導入等で得た新薬はそれほど利益率が高くないからです。これは導入の際に莫大なお金を導入元に支払っているためです。

従って営業利益率を見ることで、新薬(もしくは自社製品)を作る力があるかどうかを見極めることができます。もちろんこれに関してはパイプラインも見ておいた方がいいですね。

 

キャッシュフロー現金

こちらは企業のいわゆる貯金額になります。今回のコロナのような予期しない緊急時にどれだけ耐えうる力があるかの指標になります。業績推移の下の方にスクロールしていくとあります。

単位は下の方に書いてあります。

 

現金残高は売上高×10%と比較する

現金残高に関しては、多いに越したことはありません。

ただし何か指標が欲しいなということで、ここでは比較対象として売上高×10%というのを提案します。

例えば売上高×10%の3倍現金があれば、計算上はその企業は3年間無益でもなんとか耐えていけるということになります。

まずはこの指標で見てみて、極端に現金が少ない企業は余裕がないと考えておいていいと思います。

中外製薬の場合は2019年時点で2000億円あり、十分すぎるほどあると思います。

ROE

この指標は初めて見る人が多いのではないでしょうか。

ROE(%) = 純利益 ÷ 自己資本 × 100

と計算できるのですが、この計算式は覚える必要はありません。

覚えて欲しいのは、ROEが経営のうまさを表すということです。

計算式からも分かるように、少ないお金でたくさんの利益を稼ぐことができればROEの値は上昇します。

ROE > 15は優秀

以上が基準となります。

早速中外製薬の場合を見てみましょう。収益性のタブで見ることができます。

2019年のROEは19.61とかなり優秀です。

ちなみに15以上無いと劣っているというわけではなく、ROEは10もあれば十分だと思います。

逆に10を下回るようであれば、そこまで経営は上手く無いと判断できます。

 

その他

余力がある人は以下の2つもチェックしてみましょう。

  • 自己資本比率
  • 株価推移

 

自己資本比率は40%を上回っていれば倒産の心配は無いとされています。

ただし製薬企業においては、武田薬品を除き40%を下回っている企業は少ないと思いますので重要な確認事項からは今回は外しました。

 

また、株価は単純に市場に評価されていれば上がっていきます。ある意味総合力ともみれると思います。一方で、いい企業でも株価に反映されていないこともありますので、ここでは外しました。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

最後にもう一度リストをお示しします。

  1. 売上推移 — 徐々に上がっているか
  2. 営業利益率 — 10-15%以上あるか
  3. キャッシュフロー現金 — 売上×10%と比較し少なく無いか
  4. ROE — 15以上は優秀

そして、余裕があったら下の2つもです。

  • 自己資本比率 — 最低でも40%以上
  • 株価推移 — 上がり続けていれば理想

 

ぜひこれを参考にして、企業研究を進めてみてください。

「御社は営業利益率が高く〜」など言えたら面接官も驚くかもしれません。

 

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